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地域再生へ向けて 「日本地域通貨フォーラム」開催

 3月18日、東京港区の「女性と仕事の未来館」で「日本地域通貨フォーラム」(主催:財団法人さわやか福祉財団)が開催された。

 さわやか福祉財団堀田力理事長の開会挨拶の後、基調講演として東京大学の丸山真人教授による「地域通貨は何処へ行くか」とトヨタ自動車の岸本周平氏(元大蔵省)の「地域通貨の法的問題」が行われた。

 丸山真人教授はカール・ポランニーの市場経済外のサブスタンスエコノミーや江戸期の藩札に触れながら地域における地域通貨のあり方を述べた。

 岸本周平氏は元大蔵省の立場から現在の政府の地域通貨に関する法的問題や施策の問題点を指摘し、民による地域通貨による地域再生を語った。

 その後、アースデイマネー(東京都渋谷区)、千姫プロジェクト(兵庫県姫路市)、Jファンド(Jファンド事務局)、時間通貨(さわやか福祉財団・全国)などの国内各地の実践者による全国の活動事例が紹介された。

 パネルディスカッション「地域通貨の理想と現実」では、堀田力理事長のコーディネートにより、エコミュニティーネットワーク代表加藤敏春氏、ピーナッツ倶楽部村山和彦氏(株式会社みんなのまち代表)、ゲゼル研究会代表森野栄一氏、岸本周平氏というこれまでの地域通貨を切り開いてきたパネリストによる討論が行われた。

 この中では地域通貨が今、いろいろな意味で壁にぶつかっており、これを超えた地域通貨の新しい時代を切り開くための方法が議論された。多様な意見が出されたが、新しい時代のニーズに答えるための地域通貨のあり方、地域通貨の情報通信技術(ICT)の活用、などで共通していた。

 また、併設された地域通貨展示ブースにおいて行われた全国から参加した地域通貨の説明は、会場から人があふれてしまうほどの盛況だった。

 丸山教授が冒頭で指摘したように日本において地域通貨は常に新しい形が生まれており、今までとは異なる新たな地域再生の可能性も開けている。

(長岡素彦) 2005/03/28
by 00mt082 | 2005-11-24 00:11
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