カテゴリ:地方自治体( 8 )

[けいざい]地域通貨「ありガッタ」発行

◇地元購買の起爆剤に
 有明町商工会が20日から、町内約50の加盟店で利用出来る商品券タイプの地域通貨「ありガッタ」を発行する。半年間の有効期間内なら6回まで繰り返し使えるのが特徴で、同商工会は地元購買を高める起爆剤として期待している。
 発行するのは100円相当の「100ガッタ」5万枚と、500円相当の「500ガッタ」2万枚。20日は、敬老の日を記念して町内の高齢者約1200人に700ガッタずつ配布。その後は町民に購入を呼びかけ、各種イベントの景品などに利用してもらう。
 ありガッタでの買い物には釣り銭が出ないが、現金との併用は可能。加盟店によって割引などの特典も受けられる。すぐに換金せずに別の加盟店で使ってもらうことで、地元の商業者同士の結び付きを強める狙いもある。換金時には1%を手数料として徴収し、運用費をまかなう他、一部は社会貢献活動に充てる。
 導入に合わせて20日、同町戸ケ里に空き店舗を活用した地域通貨専用の店「ありがとう」がオープン。町民手作りの工芸品やリサイクル品を販売し、情報交換コーナーも設置する。
 同商工会の久賀昭彦・経営指導員は「地元商店街の活性化はどの町も抱えている悩み。有明町としても(来年1月の)合併を目前に控えた今のうちに手を打っておきたい」と話している。【宮本尚慶】

9月17日朝刊 
(毎日新聞) - 9月17日17時25分更新
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by 00mt082 | 2004-09-22 15:22 | 地方自治体

太陽光発電を地域通貨で普及させよう 

◇NPO「エコロカル・ヤス・ドットコム」代表、谷豊さん(49)=野洲町
 太陽光発電を地域通貨で普及させよう。そんな活動に取り組んでいるNPO法人が野洲町にある。活動は名付けて、「エコSUNプロジェクト」。「将来、余剰電力を還元できるようになれば」「地域通貨を里山運動に発展させたい」と話す、NPO法人「エコロカル・ヤス・ドットコム」代表の谷豊さん(49)に、これまでの取り組みや今後の展開を聞いた。 【阿部雄介】

 ――太陽光発電と地域通貨の関係は。
 住民から一口1万円で出資を募って発電施設を購入し、公共施設などに設置します。住民には一口当たり1万1000円分の地域通貨「smile」を渡し、NPOに協力する企業や、体育館などの公共施設などで利用してもらう。昨年、集まった約150万円で第1号の発電施設を野洲文化ホールに設置しました。

 ――なぜ地域通貨の利用を?
 01年5月に全国から70余りの自治体が参加する環境自治体会議が町内で開かれることになった。有志で勉強会を行ってきて、「環境保護とはいえ、現在の経済システムの中に組み込んだモデルを作らないといけない」という結論に達した。ボランティアなどの対価を表すものとして「地域通貨」が注目され始めていたので、そのアイデアを利用することにしました。

 ――問題点などは出ていますか。
 地域通貨を使えるのが今のところ5店しかない。出資といっても「寄付」の意味合いが強く、地域通貨は「寄付」に対するほんの気持ちという感じ。一方、一般的な地域通貨は店側の負担がほとんどないか、あっても5%ほどだが、「smile」では利用された分はすべて店の負担。不況のなか、参加店が少ないのも仕方ないでしょう。
 発電設備が増え、余った電気を売れる位になれば、収益の一部を参加店に還元したいとも考えていますがまだまだです。

 ――プロジェクトの意義を教えて下さい。
 町職員が参加して公共施設でも「smile」が利用できるなど、町が全面的に協力してくれている。直接補助金を受けるのではなく、私たちの自主性も確保されている。人口3万7000人の野洲町は京都や大阪のベッドタウンの一方で、里山や農村も残っている日本の縮図のような町。これからの環境問題に取り組むための「実験」には最適な場所ではないでしょうか。

 ――今後の展開は。
 「エコロカル・ヤス・ドットコム」では、太陽光発電と同時に里山保全にも取り組んでいる。そちらの活動でも地域通貨を利用できるようにしたい。地域通貨は地域を活性化させるための、住民と行政、企業を結ぶツールです。町内では地産地消を活性化させる動きもあり、それらすべての活動を結びつけていきたいと思っています。

◇提言◇
 自然エネルギーを使って、地域の経済を循環させていくことが大事。経済の仕組みをうまく使って、地域の人が環境にも自然に投資が出来る時代を作り、少なくとも20〜30年前の環境を取り戻したい。

 ◇たに・ゆたか 1954年、野洲町生まれ。金沢工業大卒業後、県内のゼネコンで公共事業などを手がけた。97年に独立して、民間専門の建設会社を設立。同時に町内の経営者らと環境問題を考える勉強会を開き、01年2月に「エコロカル・ヤス・ドットコム」を設立。代表に就任した。(毎日新聞)
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by 00mt082 | 2004-09-09 01:16 | 地方自治体

好評!私の町の「通貨」、全国にひろがり

ボランティア活動などの対価として支払われ、特定の地域や団体の間で流通する「地域通貨」が全国に広がりを見せている。

 「地域の活性化につながる」と各地で好評なためで、今秋からは住民基本台帳カード(住基カード)と連携させる実験も始まり、総務省も検討委員会を設けて普及を目指す考えだ。

 ◆住基カード活用した実験も◆

 特定の地域でのみ利用できる地域通貨の原型は、1930年代のドイツやオーストリアで始まった。当初は国の主権を脅かす存在と見なされて姿を消したが、80年代にカナダなどで復活。日本でも90年代後半から、金額に換算しにくいボランティア活動などと他のサービスやものを交換する仕組みとして、商店街や非営利組織(NPO)などで使われ始めた。2000年時点では30地域に過ぎなかったが、昨年末には300を超す地域で利用されているという。

 今年11月には、総務省の呼びかけで、千葉県市川市、北九州市、熊本県小国町の3市町が住基カードを活用した地域通貨の実験を2か月かけて行う予定だ。

 市川市の場合、子育てボランティア(1時間)や防犯パトロール参加(1回)につき100ポイントといった具合に、指定されたボランティア活動の内容ごとにポイントを加算する仕組み。ポイントは住基カードに記録され、犬の散歩や庭木の手入れなどの多様なボランティア活動を受ける対価に使えるほか、1ポイント1円の換算で市の駐車場や動植物園、提携するショッピングセンターや映画館などの支払いにも使うことができる。

 北九州市は環境活動に、熊本県小国町は農作業などの交流事業参加に対し、市川市と同様の仕組みで地域通貨を発行する計画だ。

 ◆地域の起爆剤に◆

 総務省は3市町の実験結果について、同省に設けた「地域通貨モデルシステム検討委員会」(座長・加藤寛千葉商科大学長)で検証したうえで、住基カードを使った地域通貨の運用に必要なノウハウの「モデルシステム」を開発し、来年度以降、希望する他の自治体に無償で提供することにしている。

 地域通貨については、〈1〉民間主体では通貨自体への信用が低い〈2〉特定の店などに地域通貨がたまり、流通が滞る――などの課題も指摘されている。

 このため、総務省では、行政が関与して地域通貨の信用度を増す観点から、住基カードの地域通貨への活用を推奨していく考えだ。

 発行が当初見込み(初年度で300万枚)を大きく下回っているとされる住基カード普及の起爆剤にしたいという思惑もありそうだ。

 市町村が独自に加えられるサービスがあまり導入されていないことが普及が伸び悩んでいる原因とみて、総務省では「住基カードの便利な利用法が普及すれば、発行数も伸びる」と期待している。

 ◆住民基本台帳カード=全国民に11けたの番号を付け、住民の氏名、住所、生年月日、性別の情報を行政機関が共同で利用する住民基本台帳ネットワークの本格稼働に伴い、昨年8月に交付が始まった。身分証明書として利用できるほか、住民票の写しが全国すべての市町村で取得できる。ICカードの空き領域を利用して、各自治体は、図書館の利用券など独自のサービス機能を付加することができる。
(読売新聞) - 8月22日0時10分更新
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by 00mt082 | 2004-08-22 13:50 | 地方自治体

ネットで住民が情報交換-電子自治会

インターネットを利用して住民同士がさまざまな情報を交換する「電子自治会」を、さぬき市志度の南志度ニュータウン自治会(大生正勝会長)が構築、七月上旬から全三百四世帯のうち約百世帯で運用を始める。未加入世帯もあるため、当面は従来の回覧板などと併用。大生会長は「インターネットが使えない高齢者にも配慮しながら加入世帯を増やしたい」と話している。

 電子自治会は、催し案内などの情報伝達の効率化と、住民相互の意見交換を促すことで自治会の活性化を図るのが狙い。二十六日には住民約四十人が参加して操作説明会を開催、積極的な利用を申し合わせた。

 きっかけは、同自治会員を対象に二〇〇二年六月からNPO法人「ネットクラブ」(理事長・福田京平徳島文理大教授)が開いたパソコン教室。これまでに約四十人が受講し、基本操作からインターネットの応用までを習得した。同教室で電子タウン構想を学んだ受講生から「自治会内で活用できないか」との要望が寄せられ、同クラブがサポートした。

 自治会や住民サークルを中心としたサイトなどを設定。自治会情報はサイトを通じて瞬時に提供し、住民間の意見交換や子供会などグループ内の利用も可能で、意見箱を設けることで住民全員が参加して討議も行える。

 県情報政策課などは「県内の自治会で同様の取り組みは珍しい。住民の理解が得られれば運用は難しくないだろう」としている。
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by 00mt082 | 2004-06-27 23:25 | 地方自治体

松山市に 「e―まちづくり戦略」評価

情報通信の発展に貢献した研究者や経営者、団体を表彰する「04年度情報通信月間・総務大臣表彰」の式典が、このほど東京都内であり、松山市が「インターネット通信網整備で地域経済を活性化させた」などとして、ノーベル賞受賞者の江崎玲於奈・芝浦工大学長らとともに表彰された。四国の自治体では初めて。
 同市は02年、通信基盤の整備で雇用創出や地域活性化を目指す「e―まちづくり戦略」を策定。大容量のインターネット通信ができる光ファイバーケーブルを敷設する民間通信事業者に、02~04年度の3年間、敷設費の半額を補助している。ケーブル総延長は、事業開始前の約2・5倍にあたる約2700キロメートルになり、今年度中には光ファイバーの通信回線の契約家庭や会社は、約2600軒から3万6500軒に増加する。また、情報通信関連企業2社を誘致して500人以上の雇用を創出した。
 自治体が民間主導の光ファイバー整備に多額の補助をした例はほとんどないといい、市地域経済課は「事業が地域振興につながった点が評価された」としている。【小林祥晃】(毎日新聞)
[6月5日20時41分更新]
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by 00mt082 | 2004-06-06 17:03 | 地方自治体

[セントレア夢の翼・中部国際空港への期待]/中 “復活”目指す観光産業 /愛知

◇有職者招き自主勉強会も
 「お金を落としてもらおうという羽織の下からよろいが見える姑息(こそく)な観光はダメ。訪ねる喜びがある、迎える喜びがあることが重要です」
 4月21日、美浜町奥田の日本福祉大で開かれた「観光大学」で、講師の内田州昭・愛知学泉大教授はそう語った。
 ピーク時には年間700万~800万人あった知多半島の観光客は、今では400万人前後と半数近くまで落ち込んでいる。南知多町内海でも、ホテルや旅館が次々と廃業した。観光大学は、美浜町小野浦風宮崎でホテルを経営する原義治さん(47)が、「空港ができると地域も国際化する。観光事業者として適応できるよう、世の中を知って自らを向上させよう」と同業者に呼びかけ設立した。半島南部の22施設から若手経営者らが参加し、毎月1回集まってサービス、食・料理などを研究。地元食材を使った料理も研究している。
 最初の講義では、内田教授が「観光とは何か」「魅力ある宿とは」などをテーマに話し、旅行雑誌「じゃらん」宿泊コンサルティング担当、稲荷山健生さんが、同地域の宿に対する利用客の評価を披露した。それによると、料理はまずまずだったが、部屋や風呂、接客サービスなど、他はすべて平均点以下。参加した若手経営者からは「目からウロコが落ちた」「今まで知らなさ過ぎた。これではいけない」と反省の言葉が続出した。
 ×  ×  ×
 知多半島は温暖な気候と豊富な魚介類、美しい自然が魅力。中部国際空港開港を、いかに地域の活性化につなげるかが問われる。知多半島の活性化策を提言している日本福祉大知多半島総合研究所の山本勝子主幹は「きれいな海があれば観光客が来る時代は終わった。知多には臨海学校も公共施設、ライフセーバーもなく、あるのは駐車場の客引き合戦。これでは安心して楽しく遊べない」と指摘する。
 こうした現状を変えようと、地元市町は県や経済界、農協、大学などと共同で、観光による地域再生計画を策定。国の認定を目指し、11日に申請する。近く推進母体となる組織も設立される。
 3月、常滑市で開かれた「セントレアと観光振興」シンポジウムで、同空港会社の平野幸久社長は、情報発信と受け入れ体制の充実、施設の活用を提言した。セントレアは、利用客と観光客合わせて1500万人が目標だ。乗り継ぎの合間に、遊びにきた人たちに、どんな観光が提案できるのか。これからが正念場となる。【林幹洋】(毎日新聞)
[5月10日19時51分更新]
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by 00mt082 | 2004-05-18 00:48 | 地方自治体

社説=多彩な地域へ 発想転換を地方も国も

地域の活力をどう高めるか、それぞれの知恵と工夫が一段と試される時代である。今年の国土交通白書は地方の自主的な取り組みの大切さを強調した。特色ある地域づくりを重視する考え方に異論はない。国も頭をしっかり切り替えるよう求める。

 活性化に成果を挙げている各地の事例を集め、分析した。個性的な地域をつくるためのヒントを実際の取り組みから引き出そうという狙いである。長野県内では歴史を生かした町並みづくりなどで知られる上高井郡小布施町が紹介されている。

 全国どこも同じように公共事業を進める時代ではない―との認識が背景にある。国の台所事情が苦しさを増し、一律に大盤振る舞いできる状況でもない。地域の個性をそいできた画一的なやり方を見直し、足元の魅力を生かすことは確かに大事だ。

 まずは地方が自ら主体性を発揮することが鍵になる。それぞれの特性や良さを踏まえ、地域づくりの方向を見定めないといけない。ほかでの成功例は一つの手掛かりになる。全く同じに展開できるものでないにせよ、参考にできる点は生かしたい。

 一朝一夕にはいかない。取り組みのポイントとして白書は幾つかの要素を挙げた。その一つ、住民の主体的な参加だけ取っても大変だ。広く巻き込むには分かりやすい目標や中心になって担う先導役などが求められる。地道に積み上げるほかない。

 この際、国の対応も問いたい。地方から創意工夫の意欲を奪ってきたのは、もともと国である。使い道を細かく決めて配る補助金などによって地方をコントロールしてきた。ここをきちんと反省し、国と地方の関係を根本から改めるのが筋だ。

 実態は異なる。いわゆる三位一体改革では、国土交通省をはじめ各省庁が自らの権限、財源を守ろうとする姿勢ばかり際立たせた。補助金を削る代わりに国から地方へ税源を移し、地方が自由に使えるお金を増やすという本来の狙いとは程遠い。

 国土交通省の場合、補助金に代えて「まちづくり交付金」を設けている。市町村がつくった都市再生の計画について国が効果ありと認めれば支援するものだ。補助金より地方の裁量が広がるとはいえ、お金を割り振る権限は国が握ったままになる。

 個性を生かした地域づくりに国のお墨付きは必要ない。取り組みの結果も含め、自ら責任を負ってこそ主体性は高まる。地域の自主性を尊重するのであれば、地方への思い切った権限移譲を図るべきである。

信濃毎日新聞 (2004年4月20日)
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by 00mt082 | 2004-04-25 12:12 | 地方自治体

<総務省>「電子自治体」統合を計画

総務省は23日、地方自治体のあらゆる情報システムをインターネット技術で統合し、異なるシステム間で自動的にデータ交換できる仕組みを、世界で初めて構築する方針を固めた。電子自治体を全国的に統合するエンジンになる。07年度導入を目指し、05年度予算に開発費数十億円を要求する。民間企業との連携も可能で、転居や出産の際、1回の電子申請だけで、煩雑な手続きが一挙に完了するという。半面、大量の個人情報が自治体間などで共有されることから、極めて厳格な管理体制が求められる。

 「次世代地域情報プラットホーム」と名付けた新システムは、「Webサービス」と呼ばれるネット技術を使い、異なるシステム間でも、電子情報のスムーズな送受信やデータの共用を可能にする。現在稼働している住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)は専用回線で都道府県と国を結んでいるため、他のネットワークとの接続はできない。

 新システムでは、例えば住民が引っ越しで住所変更届を提出すると、自動車運転免許や国民保険などの登録住所が自動的に変更されるほか、電気、ガス、水道料金なども、変更手続きが不要になる。さらに医療、教育、防災分野など幅広い分野が対象になる。

 今までは、一つの自治体の中でも、人事給与、財務会計、税務など部門ごとにシステムがばらばらで、部門間のデータ交換は手作業などで行われてきた。自治体間のシステム連携は皆無だった。

 全国の自治体にとっては、合計で年間7000億円を超す電算費用が数千億円単位で減らせる。さらに、Webサービスの広範囲な活用は世界初の試みであることから、総務省は国内ソフトウエア産業の振興にも寄与するとみている。

 総務省は、大手電気通信メーカー各社に開発を委託し、07年からの一部運用開始と10年からの全国展開を予定。「行政サービスの7割を占める地方自治体のシステムが根幹から変わる」と説明している。【伊藤一博】

◆新システム必要かは疑問

 電子自治体に詳しい神奈川大の古川泰弘講師(情報セキュリティー)の話 情報セキュリティーの考え方には、構築したシステムの運用経費をどう調達するかも含まれる。多くの地方自治体が財政難の中で、多額に上るとみられるセキュリティー対策費をかけてまで新しいシステムが必要だと思っているかは疑問だ。現状の行政サービス水準で十分だと考えている自治体もあるはずだ。そもそも、すべての自治体がかかわる問題を総務省だけで決めるのはおかしい。

◎ことば=電子自治体

 自治体の行政サービスを向上させるため、インターネットなどを活用し、国民や企業が24時間365日ノンストップで必要な情報を容易に入手できるような自治体行政の情報化をいう。実現のために、自治体を効率的に結ぶネットワークの構築が必要とされていた。

◆悪用防止の道筋示さず

 総務省が打ち出した「次世代地域情報プラットホーム」構想では、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)をはるかにしのぐ種類と量の個人情報が、全国の自治体や企業など広範囲で利用されることになり、政府は国民の利便性向上をPRする。だがこうした個人情報をどう保護し、情報の悪用や漏えいへの懸念をどう払しょくしていくか。その道筋は示されていない。

 自治体が持つ情報は、事務ごとにシステムの仕様・規格がバラバラで、各事務間のデータ交換には紙媒体が使われることも多い。こうした事情がかえって不正アクセスを阻む防波堤として機能し、情報が漏れた場合でも被害を比較的小規模にとどめてきた面もある。

 これに対し、次世代情報プラットホームは自治体事務の大半を対象としている。納税情報や医療・健康情報、本籍地情報など厳格な保護が求められる個人情報も全国的な情報流通の視野に入るとされる。情報流通に伴うリスクについて、政府は自治体や住民に説明を尽くす責任がある。

 利用を自治体や企業だけでなく政府にも広げていくことになれば、政府は「テロ対策」などを口実に容易に国民の個人情報を収集できるシステム作りに乗り出す恐れもあり、「国家による国民の管理強化だ」との批判が出てくる可能性もある。

 住基ネットでさえ、東京都国立市や福島県矢祭町など一部の自治体は依然として全員参加を拒否し、参加へのめどは立っていない。自治体や国民の懸念をどう払しょくするかなど問題は山積している。【臺宏士】(毎日新聞)
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by 00mt082 | 2004-04-24 19:57 | 地方自治体